同じ名前の神社がたくさんあるのはなぜ?神社とご祭神について〜八幡さま、お伊勢さんがたくさんある理由〜

私、信仰心の浅い壮年の神職でございます。

神の道 〜ブログ開始一ヶ月の成果報告〜

日本全国に8万社以上ある神社。

皆様のご自宅の近くにもたくさんの神様が御鎮座されていることと思います。

その中に同じ名前の神社がたくさんあるのを気になった方も多いのではないでしょうか。

同じ名前の神社がたくさんある理由

昔々、私たちのご先祖はその土地で生きていく中で森や木、岩などに神様の存在を感じ崇めました。

そして神様が雨風にさらされないよう神社を作り、日本全国にたくさんの神社が造られていきました。

そして平安時代になると人々の行き交いが多くなり、口コミで人気の神社が出てきます

氏郎兵衛
氏郎兵衛

あの村は稲荷様に祈っとるから稲がよく育っとる

氏ノ助
氏ノ助

あっちの稲荷様に来てもらえばこの村の稲もよく育つのじゃなかろうか

氏右衛門
氏右衛門

そいじゃあこの村にも稲荷様に来てもらおう

と神様をお迎えしたのです

これを「勧請(かんじょう)」といいます。

それでその土地の名前が付き、〇〇稲荷神社や、〇〇八幡宮などがたくさんあるわけです。

氏子クロコップ
氏子クロコップ

ラーメン屋ののれん分けみたいなものですね

違います

峰氏子
峰氏子

じゃあフランチャイズね

違います。

稲荷様で言えば総本社は千本鳥居で有名な京都の「伏見稲荷大社」です。

稲荷様に参拝したい、しかし京都まで行くのは大変です。それこそ昔は車も電車もありません。なので近くに稲荷大明神を勧請して参拝をしやすくしました。ということです。

私は、伏見稲荷大社に参拝したことはありません

京都まで行くのは車があっても大変なのです。

地元の稲荷様には何度か参拝しております。先人たちに感謝ですね。

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同じ神様がたくさんいらっしゃるの?

八百万の神と言われていますが、同じ神様がたくさんいらっしゃるのではありません

神様は唯一で、その分霊がご鎮座されているということになります。

神道の考えでは、

「神様は無限に分けることができ、分霊してももとの神様に影響はなく、分霊も本社の神様と同じ働きをする」

と考えられております。

氏子F氏雄
氏子F氏雄

地元の稲荷大明神も、京都伏見の稲荷大明神も同じお力をお持ちなんですね。

・・・そうです。

八幡信仰、伊勢信仰、八幡様とお伊勢さんが多い理由

日本で一番多い神社は八幡さま(八幡宮、八幡神社)、総本社は、大分県の宇佐神宮(宇佐八幡)、ご祭神は第15代応神天皇(ホンダワケノミコト)。文武にすぐれ日本を飛躍的に進歩させた方です。

勝負事の神様で必勝祈願や出世開運などのご利益が期待できます。

そしてお伊勢さん(神明神社、皇大神宮など)。総本社は言わずとしれた伊勢神宮であります。ご祭神は太陽の女神である天照皇大神。

これらの神社がたくさんある理由の一つにあの「源頼朝」が深く関わっております。


時は鎌倉時代、頼朝は政治家としてだけでなく信仰家としても鎌倉時代に偉大な足跡を残しています

頼朝の信仰の特徴は、伊勢の神宮と鶴ケ岡八幡宮に熱烈な信仰を寄せたことです。

そして、祈願するだけでなく、神宮の神領(神社の領地)については格別の意をはらいました。神宮御領を横領し、その存在を危うくするものがある場合、たとえ配下の者でも容赦なく罪を検察、断罪するほどで、神宮式年遷宮にも力を尽くしました。

鶴岡八幡宮については、その創始は源頼義(よりよし)、義家(よしいえ)が鎌倉に石清水八幡宮を勧請したのが始まりとされています。

源頼朝は、鎌倉に入るとすぐに頼義、義家の功を継ぐべく、鶴岡八幡宮の充実を図りました。鶴岡八幡宮は、鎌倉の中心に位置しており、将軍拝賀の式が行われるなど、朝廷になぞらえた機能を果たす宮で、頼朝はじめ鎌倉武士にとって、精神的な拠り所でした

頼朝の信仰は、やがて配下の鎌倉武士に深く浸透し、彼らが地方に派遣されることによって、日本全国に神明宮と八幡宮が広く勧請され、伊勢信仰と八幡信仰の礎が築かれてゆきます。

おわりに

普段お世話になっている氏神神社、崇敬神社。

その総本社にお参りし、日頃の感謝を伝えるも良し。

旅先にて見かける同じ名前の神社にご縁を感じ、立ち寄るも良し。

先程も申し上げましたとおり、分霊も本社の神様も力は同じかもしれません。

しかし、その土地に根付き生き抜いてきた方々と神様との長い歴史や関係を見つめて感じることも、神道を楽しむことに繋がるのではないでしょうか。

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